今日はずっと気になっていたbarに行った。初来店だ。
特別美味しい酒が飲めるとか、特別お洒落なカクテルがある、というわけではなく、客同士、客とキャストのコミュニケーションを大切にするといったコンセプトのbarだ。
そこでは、毎夜トークテーマがある。今夜のテーマは「自慢できることを自慢してください」といったものだった。
現代は「自慢」がしづらい世の中だと思う。SNSをみれば、簡単に自分よりすごい人達が見つかってしまう、そんな世の中だ。
大学受験には失敗し、大して稼いでおらず、美人な嫁さんやかわいい子供たちもいない、そんな自分の生存戦略は、足るを知ることで自慢しないことだった。
その場に居合わせた他の客たちも自慢話のネタ作りに苦戦しているようである。
僕も自慢できることが思いつかず、テーマを無視して談笑していた。
どうしてこんな難しいテーマにしたのかとキャストの女性に聞くと、「やりたいことは金ですべて解決したから生きるモチベがなくなってしまった。皆さんの自慢話を聞いて生きるモチベを知りたい」とのこと。
なるほど、自慢は生きるモチベなのか。目から鱗だった。
真逆の生存戦略をまの当たりにし、とても面食らったが、おそらく両者のバランスをとることが最も最適な生存戦略なのだろう。
次に来た時は1つや2つ自慢話を土産に持っていこうと思いながら、生きるモチベのないハツラツとした女性キャストに見送られた。